「俺の葬儀のことは、横川に任せておけ」
そう言い残して鬼籍に入った先輩がいた。
その言葉を家族から聞かせれたのは、本人が危篤になった日の病院からの電話だった。
葬儀という仕事に従事しているため
死を覚悟した本人から指名されることも時々ある。
そのたびに、託された責任と、別れの刹那さで心が苦しくなる。
プロであるのだから、そんな弱音を吐いてはいけないのだろうが
何年経っても、何度経験しても超えることはできないらしい。
危篤の電話の翌日、先輩は息をひきとった。
自宅に伺い、奥様にお悔みを申し上げると、同じ言葉を頂いた。
託してくれた先輩、そして夫、父を喪ったご家族の信頼の大きさ、深さを知れば
責任の重さに慄いている場合ではない。
当社のスタッフ一同、誠心誠意、心こめて葬儀のお手伝いをさせて頂いた。

今日はその先輩の七七忌の日。
菩提寺の都合で早めに法事は済ませていたが
葬儀を託された立場であるからにはきちんと供養をしたかったので自宅に伺った。
突然の訪問にもかかわらず、未亡人の奥様は快く迎えいれてくれた。
仏前に線香とともにビール型のローソクを供える。
「先輩はお酒好きでしたからね」
そう言うと、生前の夫の姿を思い出した奥様はクスっと笑った。
帰り際、自宅の庭先を見ると早咲きの桜がポツポツを咲き始めていて
その先にはローカル線の踏切が見えた。
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もう春が来ていて、まもなく新入生を乗せた電車がここを通る。
先輩が亡くなったのは1月の一番寒いときだった。
時が経つのは本当に早い。
季節のページが一枚めくれると同時に仏の世界に入っていった先輩。
自分は先輩が望んだような納得のいく葬儀ができたでしょうか…と問いかけてみる。
そしてこれからも、たくさんの方のお葬式を託される葬儀社になれることを目指していこうと誓うのであった。
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